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  • G8サミットに向けたGoho-wood円卓会議 「地球環境国際議員連盟(GLOBE International)と語る合法木材供給システムの将来」
平成20年6月27日
G8サミットに向けたGoho-wood円卓会議座長とりまとめ

まだまだ、議論はつきないと思いますが、会場の時間の都合もありますので、このへんで会議のとりまとめに移らさせていただきたいと思います

短い時間ではありましたが、皆様方から活発にご意見が出され、非常に有意義で実り多い会議になったと考えております。ありがとうございました。

さて、本日の会議はグローブインターナショナルのメンバーを始め、参加者の皆さんによる意見交換を行うことが目的であり、特に文書による取りまとめは考えておりませんが、会議の締めくくりとして、私、議長の責任において口頭で本日の会議のまとめを行いたいと思います。

全体としては、

  • (1) 違法伐採対策に取り組むことは、森林減少の抑制等、地球規模の気候変動対策や生物多様性の保全など、森林生態系サービスの恩恵を受ける、地球上すべての者にとって重要であり、G8でも焦点をあてるべき課題であること。
  • (2) 生産国・消費国が協働して違法伐採対策に取り組んでいくことの重要性。
  • (3) 一方で、生産国における技術の向上や資金面で様々な課題や困難がありこれを克服していくことが重要、

との意見があったかと思います。

我が国の取組については、吉野議員から基調報告がありましたが、

  • (1) 合法性が証明された木材は、合法木材供給事業者の信頼の連鎖により供給されること、
  • (2) 合法木材供給事業者は、業界団体を含む何らかの第3者からの透明性のある手続きを踏まえた承認が必要なこと、
  • (3) 証明の連鎖は、合法木材供給事業者が作成する書面による証明によりつながること、
  • (4) この措置は、国内材、輸入材又はハイリスク、ローリスク国等に関係なく全ての国に要求されること

等の点で多くの賛同を得られたと考えます。

また、このGoho-wood の取組は、他国でこのまま取り入れるのは難しいかもしれないが、違法伐採対策を持続可能性の第1歩として取り組んでいる姿勢・基本的考え方は、国際的にも評価される、とのお言葉もいただきました。

今後の課題としては、具体的に、

  • (1) 合法性証明の信頼性の確保への取組の重要性
  • (2) 政府調達にとどまらず、民間セクターへの普及の必要性
  • (3) 合法木材に対するインセンティブの付与の重要性
  • (4) 企業の認定の取り消しなど、厳正な適用の必要性

等が述べられました。

民間セクターの取組として、住友林業、コクヨファニチャーからの説明がありましたが、これら民間の積極的な取組、特に植林等の取組に対し、評価する旨発言がありました。

また、全体的に様々な意見が出されました。主な意見としては次のようなものであったと思います。

  • (1) 生産国における貧困撲滅、資金的、技術的な支援の必要性
  • (2) 違法伐採の取り締まりの強化の重要性
  • (3) レーシー法、二国間の協定(VPA)等の取組の必要性
  • (4) 違法伐採・森林保護に関する国内法の整備、国際ルール、基準の必要性
  • (5) 合法木材の認証システムの構築の必要性
  • (6) 合法木材に関する国際的な普及活動の必要性
  • (7) 合法性証明・トレーサビリティの重要性とその一方での実施の困難性
  • (8) 学校カリキュラムの中に違法伐採の問題を組み込む必要性
  • (9) 木材は環境に重要なものであり、それを踏まえた貿易のルールを考慮すべき
  • (10) 合法木材へのインセンティブの付与、特にインセンティブの公正な配分

これ以外にも意見があったと思いますが、私、議長としてはこのように取りまとめさせていただきました。

これらの意見に関しましては、今後の違法伐採対策を進めるに当たって、それぞれの立場で留意していただきたいと考えております。

我が国の政府調達制度も導入から丸2年が経過し、着実に定着してきているものと考えています。しかしながら、木材、木材製品への信頼をさらに高めるためには、我が国としても政府・業界・市民社会が協調しながら、今回いただきました貴重なご意見を受け止め、しっかりと検討していく必要があるのではないかと感じました。

3時間以上に渡りまして熱心な御議論、ありがとうございました。

この森林の問題については、違法伐採対策を一つのきっかけとして、森林の持つ様々な機能・役割を正しく評価するとともに、この自然の恵みを多様な関係者の間で、どのように公平に分配していくのか、地球温暖化や生物多様性の視点も含めて議論が必要であるという大きな課題もいただきました。

皆様には、議事進行にご協力いただき感謝申し上げるとともに、時間の都合で十分な御発言をいただけなかったことに対しお詫びを申し上げます。

それでは、これをもちまして、本日の円卓会議を終了させていただきたいと思います。

ありがとうございました。