違法伐採対策推進国際セミナー2007in東京
農林水産大臣挨拶
皆様、おはようございます。
ただ今、ご紹介をいただきました、農林水産大臣の松岡利勝でございます。
今日は世界の各地からお集まりいただいております。
まず、順不同でございますが、マレーシア、インドネシア、それからパプアニューギニア、中国、ロシア、カナダ、米国、本当に多くの国からご参加頂き、また、日本国内からもご出席を頂いておりますことに、そしてまた、このように盛大に会が催されますことに、心からお喜びを申し上げる次第でございます。
私は、今から6年前、2001年に政権与党でございます自由民主党におきまして、初めて『違法伐採対策検討チーム』を設立致しました。その座長として、この問題に政府と一体となって取り組んで参った次第でございます。
この間、特にエビアンサミットにおきましては、小泉総理がこの問題につきまして大きな提起をされまして、そのことがシラク大統領の議長総括にも組み込まれまして、世界の中での大きな取り組みとなった訳でございます。そしてまた昨年、もう一昨年になりますが、グレーンイーグルズサミットにおきましては、大きなこの問題の枠組みが示された訳でございます。
私は、この違法伐採は3つの問題があると思っております。なんと言っても第1の問題は、地球の中で、この温暖化の問題、環境問題に直結する森林が破壊されてしまう、こういうことでございます。そして温暖化や地球環境がますます問題が大きくなっていく、これが第1点でございます。
第2点と致しましては、その地域の経済的かつ持続的な資源でもある森林が破壊されてしまう。その地域の経済の持続性が無くなってしまう、これが第2点でございます。
それから3点目は、違法伐採が世界中に流通することによりまして、まともな正しい森林経営が圧迫をされてしまう。そういった地域の森林もまた荒れてしまう。そのことによって温暖化や地球環境がますます大きな問題になっていく。こういった3つの点があると思っております。従いまして、温暖化問題、地球環境問題解決のためにも、この違法伐採対策はなんとしても、人類の将来のためにも、解決をしなければならない大きな大きな21世紀の課題であると認識しております。
そのような意味におきまして、私どもも2006年4月から、グリーン購入法に基づきまして、政府調達においては「違法なものは使わない」「合法な証明のある木材を調達する」このような制度を発足させた訳でございます。ちょうど今日は、そのような意味におきまして、これからどうやってこの問題を、世界中にしっかりと対策ができますように、枠組みができるように取り組んでいくか、大きな意義がある会合だと認識し、また期待を致しております。
そして、私自身、今から3年前には、東カリマンタン、ボルネオ島のジャングルの中にも行って参りました。インドネシアの政府や国会議員の方に御案内をしていただき、現地にも行って参りました。やはり思いました事は、木材履歴システムを開発し、その履歴システムによって木材の貿易流通を行っていくといったことが大事であり、その開発をしっかりと成し遂げることが大事であるということです。
今年はドイツでサミットが行われます。来年は我が日本国でサミットが行われます。是非ともなるべく早く、出来ましたら、日本でのサミットの時までにはこの木材履歴システムが開発をされ、これによって世界中の木材流通が運営され、それによって違法なものが無くなっていく、こういうような目的、目標を達成したいと思っております。どうか、今日のこの会が大変有意義でありまように、心からお願い申し上げ、また大きな成果が上がりますことを期待致しまして、ご挨拶とさせていただきたいと思います。
実は、事務局の方で用意していただいたペーパーがあった訳で、同時通訳の方にご迷惑をかけないためにも、このペーパーをそのまま読もうと思ったのですが、まったくペーパーとは違った、今ご挨拶を申し上げてしまいました。といいますのは、私自身が、この問題を日本で一番最初に取り組んだ、そして推進してきた一番の責任者でございますので、日頃の思いを込めて、ご挨拶をさせて頂いた次第でございます。
皆様方に、心から今日の会合に御出席されましたことに、感謝とお礼を申し上げて、重ねて未来に向かって、今日のこの会合が素晴らしい一里塚に、大きなステップになりますように念願をし、ご挨拶にさせていただきます。
ご清聴ありがとうございました。