違法伐採対策推進国際セミナー2007in東京
「日本の木材調達政策に対する世界の対応」
違法伐採総合対策協議会代表 大熊幹章
只今ご紹介頂きました森林総合研究所理事長の大熊でございます。本日の国際セミナーの実施組織である「違法伐採総合対策協議会」を代表して開会のご挨拶を申し上げます。
本日は国会開催中の大変お忙しい中、松岡農林水産大臣にはご臨席を賜りました。心から御礼申し上げます。今回の違法伐採対策推進国際セミナー「日本の木材調達政策に対する世界の対応」には、世界の各国から8名の素晴らしい講演者をお招きすることができました。大変喜ばしく思います。また、会場には日本国内各地のみならず、海外からも多くの方々にご参加を頂きました。このように本セミナーが盛大に開催できますことを大変嬉しく思います。皆様有り難うございます。
違法伐採総合対策協議会は、日本政府が2006年度から合法性が証明された木材を優先的に購入する方針、すなわちグリーン購入法の実施を決定したことに対応して学識経験者、業界団体、環境NGO等の関係者で構成されるもので、全国木材組合連合会(全木連)が進める違法伐採総合対策事業の枠組みを検討する協議会です。今回の国際セミナーは、同協議会の基に置かれたセミナー実行委員会が計画し、実施するものです。
そのようなことで、本日のセミナーは、1年間の違法伐採総合対策事業の締めくくりとして重要なイベントであります。
昨年、日本政府が、合法性が証明された木材・木製品を優先的に購入する方針の実施を開始してから、日本国内では「木材・木製品の合法性・持続可能性の証明のためのガイドライン」に基づいた合法木材を供給する方策について業界団体の中で議論が進められました。そして100以上の団体が違法伐採問題に取り組む決意を表明するとともに、傘下の会員について合法木材の供給者としての適格性を認定する事業を進めてきました。このようにして我が国で適格性が認定された事業体はトータルで5000近くになったと聞いております。
一方、購入側でも政府に習って各地の地方自治体が合法木材のグリーン購入を開始しました。民間業界の物品調達方針の中でも合法木材が取り上げられてきております。国際社会の中でも、木材の大きな消費市場である日本におけるこれらの動きが、違法伐採問題に取り組む世界各地の動きを支援することになるものと考えます。日本と世界の国際的な連携が違法伐採問題の解決に極めて有効で重要なものになっております。
本日のセミナーはその連携を推進する重要な役割を果たすことを目的に開催されました。先ず日本市場に木材を供給している世界各国から、各地の木材生産の合法性を証明する取組を紹介するご発表を8名の招待講演者の方々にしていただくこととしています。さらに、ボランタリーペーパーも含めたポスターの発表や日本における関連した取組を紹介する展示場も、隣室に設けられております。
二日目の明日には今後の違法伐採対策の方向性を探る、パネルディスカッションが予定されています。
二日間のこれらの討議を通じて、海外の方々には日本の「木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドライン」へのご理解を深めて頂くとともに、日本のグリーン購入の意図や動きについてご理解頂きたいと思います。また、会場にお出でになっている日本国内で合法木材の供給に取り組んでおられる方々には、今回のセミナーを通して違法伐採問題を巡る世界の情勢について多くの情報を得て、今後、確信を持ってその事業に取り組んで頂きたいと考えます。市民、研究者、マスコミ関係者など幅広い方々にもお集まり頂いておりますが、違法伐採問題の取組の重要性をご理解頂き、全国の合法木材の供給に取り組む方たちを応援頂きたいと思います。
この二日間のセミナーが日本と世界の連携による、違法伐採問題のさらなる発展に寄与する、実りあるものになるよう心から祈念致し、挨拶とさせて頂きます。
ご静聴ありがとうございました。