「日本の木材調達政策に対する世界の対応」が今回のセミナーのテーマでした。
一年前に公表された、日本政府の違法伐採対策のため合法性・持続可能性が証明された木材を優先的に購入する調達政策に対して、日本市場に木材を供給している8つの国・地域の招待者から、それぞれ合法性を証明している制度の説明があり、実行委員の側と討論がなされました。また、ボランタリーペーパーも含めて、全部で15の制度についてポスターセッションが行われ、約300人の参加者との間で熱のこもった意見の交換が行われました。また、さらに、パネルディスカッションでは、木材製品のエンドユーザーから木材の違法伐採対策に関する期待の表明がありました。
大変タイトな日程に基づくプログラムに対応して頂いたゲスト講演者の皆さん、ポスターや一般展示に応じて頂いた皆さん、また、海外や全国各地からフロアに参加された皆さんに、心から御礼申し上げます。
海を越えて取引されている木材について、消費者に合法性を説明するためには、木材の現物が流れるビジネスの連鎖を使って、山側の情報が消費者に届く仕組みが必要です。そのためには次の4点が不可欠です。第一に、違法伐採の認識に基づく合法性についての明快な定義、第二に、木材の川上から川下までのビジネスの連鎖に携わる人たちの、自主的な、違法伐採問題に立ち向かう意図に基づく積極的な参加、第三に、その活動の信頼性を確保するための、第三者による監査や認定の仕組み、第四に、制度全体の改善と改良を図るための、問題点の指摘に対する取り扱いの仕方を含む情報公開、プロセスの透明性、です。この4つが合わさって消費者・需要者が納得する合法性証明を構築することができると考えます。
今回説明のあった仕組みは、要請や公募に応じて、公開のセミナーの場での議論に付そうという考えに基づいて参加されたもので、第4点目の情報公開・透明性という点に貢献しています。また、他の点についても他の参考になる制度の発表がありました。一部に、未だ開発中のものもあったり、個々の点については議論のあるものもあったと思います。
しかし、我が国にとっては行動の大きな第一歩であり、大変多くの収穫があったと考えます。
我々はこのセミナーをきっかけに、我々のHP「合法木材ナビ」を通じて、世界中のさまざまな合法木材・持続可能な木材を証明するシステムの情報交換の窓口になるよう努力して行きたいと思います。木材の合法性の問題は、今回参加しなかった多くの国でも重要な課題であります。これらの情報が、それらの国々の合法性証明制度の構築に資するものと確信します。
循環する資源でありエコマテリアルである木材が消費者に認識されるためには、違法伐採問題に対する戦いが不可欠です。そして、森林が持続可能な資源であることを伝える第一歩として、合法木材のPRが重要です。
このセミナーから、「世界中のGoho-woodのネットワークを作ろう」というメッセージを送ります。