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2007年3月3日
違法伐採対策推進国際セミナー2007in東京
パネルディスカッション結果概要(速報)

2007年2月26日(月)〜27日(火)に、東京ビッグサイト(東京都江東区有明)で「違法伐採対策推進国際セミナー2007 in 東京 −日本の木材調達に対する世界の対応−」(主催:(社)全国木材組合連合会、後援:林野庁)が開催された。このセミナーでは、世界の主要木材輸出国から7人の招待講演者を招いて2日間にわたり、各国の違法伐採対策についての講演・討議が行われた。27日の午後には、このセミナーの締めくくりに当たり、招待講演者と日本の民間企業から大口の需要者(大手住宅メーカー、家具メーカー、オフィス用品販売会社)3人を加えた人々による、パネルディスカッションが行われた。以下は、その概要(速報版)である。

パネラーの話:

<需要者の立場から>

1.住友林業(株)環境経営部グループマネージャー d松氏
会社として、安全・環境を重視している。第1ステップとして合法性が確認された木材を使用する方針だが、確認には多大の労力と時間を要する。現在、木材調達方針の作成を進めているところ。現在、国産材の使用割合は約半分であるが、今後も国産材の利活用を進めていきたい。
2.コクヨファニチャー(株)国際調達部 辻氏
会社としての環境対応として、グリーン購入法を遵守し、全社的にゼロエミッションとエコロジー商品の開発に取り組んでいる。エコロジー商品として、間伐材を用いたデスクや、森林認証材(FSC)を用いたノートなどがある。これらの動きを進める際の課題として、業界の認知不足、流通経路が複雑でトレースが困難であること、輸出国の認定システムが未整備であること、等があげられる。
3.アスクル(株)社長室環境マネジメント兼品質管理統括マネージャー 亀井氏
この問題に関しては、取り組みの第1歩に踏み出したばかり。2004年に調達方針を作成し、2005年に公表した。その中で、持続可能な森林から産出された紙製品を使うことをうたっている。また、2006年には、3回にわたりコピーペーパーのトレーサビリティの調査を実施し、合法性の確認できる商品とそれ以外のものを分けた。今後の課題としては、消費者への正確で速やかな情報伝達、全体のレベルアップの必要性等があげられる。

また、パネラーから「合法性の確認について森林認証スキームの好みはあるか?」との質問が出されたのに対し、需要者側のパネラーからはいずれも「特に認証システムの中でこれでなくてはいけない、といった差はない」との答えがあった。

<招待講演者から、セミナーに対しての感想と今後の展望>

1.サラワク木材産業開発公社(STIDC)会長 Datu Hadi Len Talif Salleh氏(マレーシア)
違法伐採問題は、世界共通の問題であり、各国がより緊密にコミュニケーションをとりながら協力して進めていくべき。このセミナーを通して我々の国の対策をお知らせするだけでなく、日本の事情や認識がわかって良かった。今後も毎年このようなイベントを開催してほしい。また、輸出国・消費国双方がお互いの理解をもとに対策を立てて努力していく必要がある。
2.林業省生産管理総局総務局長 Hadi Daryant氏(インドネシア)
輸出国に来てわれわれの対策を実際に見てほしい。
3.SGS森林モニタリング業務アジア太平洋地域責任者 Bruce Telfer氏(パプア・ニューギニア)
問題を抱えている国を非難するだけでなく、共通の理解・合意が必要であるがこれには時間がかかる。対策については、消費国に具体的な提言を求めて、資金的にも消費国がサポートをしていくというアプローチがよい。対策に実施に当たっては、第三者の関与が必要である。
4.ハバロフスク州林業大臣 Vasiliy Shikhalev氏(ロシア)
今回のセミナー開催で、日本の関心が高いことがわかり、さらに協力の条件が整った。
5.ケベック木材製品輸出振興会貿易部長 Carl-Eric Guertin氏(カナダ)
森林のタイプや所有の形態は、国によって異なる。全ての国が日本の方針に合わせて対策をとるのは時間がかかるかもしれない。コミュニティーベースの整備が必要となる。
6.全米林産物製紙協会森林担当部長 Michael Virga氏(米国)
調達政策を実施した後の報告が必要である。今後は、いかにうまく政策が回っているかの情報を開示してほしい。対策をとっても効果がなくコストだけがかかるのでは、マイナスである。
7.木材表示推進協議会事務局長 角谷宏二氏(日本)
合法性証明は、原産地を表示することで強化される。毎年このようなセミナーをやることについては賛成である。国会議員も出席されていたが、国のサポートもお願いしたい。

<会場から>

① 我々NGOの立場からみると、需要者と供給者の間には情報のギャップがある。NGOの持っている情報と商社等産業界の持っている情報のレベルを同じにする必要がある。NGOは、他の素材と比較して木材の環境面からの優位性を理解しており、木材の利用をボイコットするつもりはない。このことは輸出国・消費国双方の産業界の皆さんにも理解してほしい。

② 合法性の定義については、法律を守っているというだけでなく、環境面にも配慮して持続可能性を目指す上での合法性のチェックということに留意してほしい。

<まとめとして座長から>

今までの意見を通して、議論の幅が広がったと思う。違法伐採がなくなってほしいと思うのは、共通しているがそれをどうやって実現していくかは、いろいろな難しい問題がある。費用がかかりすぎてできないというのでは元も子もない。段階を踏んで進めていく必要がある。

写真:パネルディスカッション

パネルディスカッション